皆さんはカットをしていてもっと速いカットできればよりたくさんのお客様を担当できるのに!とか、もっとうまくカットできればお客様に喜んでもらえる!なんておもったことはありませんか?
デビューしたてだとお客様が同じ時間に被りそうだったり、お待たせしてしまうことがたくさんあるかと思います。
実はカットを早くするためには具体的にやった方がいいことがたくさんあります。実際に僕が今まで速さにこだわって営業中の中で磨いてきた技術をお伝えしていきます。
より早くカットしてお客様に喜ばれる美容師を目指してどんどん指名のお客様を増やしていきましょうね!
トレーニング
当たり前ですが、速いカットを習得する上でまず最初にしなければならないこととして、ウィッグを使ったカットトレーニングの習慣化です。
美容師としてアシスタント時代はウィッグを使って練習することが当たり前でしたが、スタイリストになるとほとんどの方が練習をしません。
営業時間も長くて後輩の面倒も見なければならないということもあるでしょうが、自分がスタイリストになってガンガン売り上げをやりたいのであればスピードは必須のスキルとなります。
今日入ったお客様の中で時間がかかったお客様のヘアスタイルをウィッグで再現してみると、案外課題が見えてきたりするものです。カットで時間のかかる原因として
- 展開図が頭の中でイメージ出来ない
- 深くレイヤーを入れるとどうなるかわからなくて怖い
- どのくらい削いだらいいのかわからない
- 少しづつ切るから切り直して時間がかかる
大体がこんなことで迷いながら切っているから同じところを切り直してまた切っての繰り返しで時間がかかってしまいます。
展開図をイメージできるくらいまで絵に書き起こす
「展開図がわからないので出来ません」という方はこの先は見てもあまり意味がないかもしれませんが、展開図にカットのイメージを起こすことでどのように引き出し、どこにレイヤーやグラデーションを入れるのか?がわかります。
慣れてくると書かないでも頭の中で出来るようになりますし、感覚で出来るようになります。
最初は引き出す角度などにこだわってやることも多いですが、実際はかなり省略できますし、ウィッグのようにとても重たい状態からカットされるお客様って実際はそんなに多くはないです。
季節によってそんなお客様が増える時期もありますが、大体は毛先がすいてあることの方が多いので最初のトレーニング期間のうちにやってしまいましょう。
展開図がかけることによってカットのイメージを紙に残すことができるので前回のカットの内容や、後輩にカットを伝える時に重宝します。1週間も練習すればかけるようになるのでさっさとやっちゃいましょう。
セットを覚えるとカットが上手になる?
カットの切り方がわかってきたら次はフォルムコントロール。骨格にあわせたフォルムのコントロールが必要になってきます。
フォルムのコントロールはどうやって覚えるかというとこれがまた意外にもヘアセットなんですね。
なぜヘアセットなのかというと、ヘアセットはフォルム(形)のトレーニングだからですね。
ヘアセットで一番意識しなければならないことが、骨格。
この骨格に合わせていいバランスに見せる技術。これがカットを上手にします。カットの練習がある程度終わったら
- その日のうちに課題を解決するように練習
- セットの練習をする。
これを繰り返していくことでカットもセットも上手くなる!まさに一石二鳥ですね!
オペレーション
美容師として速いカットをしたいと思い、実際に何をすればわからなくなったら、技術の内容の順番を変える必要が出てきます。
必ずしもカットを先にしなければならないと言うことでもないと思います。
僕みたいにゴテゴテにグリースをつけた状態であれば一度シャンプーをする必要があると思いますが、そうでなければそのままカットしても問題はないです。
お客様は早く終わりたいと思っていますし、時間は限られています。その限られた時間の中で最大限に効果を発揮させるためにはある程度「こだわり」を捨てることも重要です。
30分おきに予約を取り、カラーのお客様が午前中にびっしり入っていたとして、カットを先にして、カラーを塗って、次のお客様をカットしてカラーをして、と繰り返していれば、アシスタントがいる状況であれば問題はないですが、実際はアシスタントがいない状況の方が多いはず。
その中でやっていくとすれば。
- 一番先に来た人はカラーからして二番目に来た人を先にカットから始めた方が効率はいいです。
- 一番目に来た人を先にカラーを塗り終わったら大体30分くらい。2人目のお客様が来た時にはちょうどご案内できる状態が作れている。
- 放置時間中に先にカットとカラーを済ませて、シャンプーを誰かにやってもらい、上がってくる頃には3人目のお客様のカウンセリング中。
- 3人目のお客様のカラーを塗ってもらって塗り終わったら1人目のカラーシャンプーをお願いして2人目のカットに入る。
この状態であればアシスタントを1人使ってお客様を3名ご案内できます。
4人目はアシスタント2人いないと厳しい
一般的な大型サロンで働く中で掛け持てる人数は3人です。(アシスタント1人の場合)
3名以上担当する場合はアシスタントが優秀であるか、自分と同じくらいの仕上げるスタイリング技術を持ったアシスタントがいれば出来ます。
ですが一人にかける時間が少なくなってしまうのである程度技術を絞った方がいいです。
例えばカラーが得意なのであればカラーとカットしかやらない。とか。
パーマとメンズはやらない、など何かに特化した方がいいです。カラーのお客様が3人いてもう一人追加でパーマをかける場合は頭の半分くらい巻いていてもらわないと次のお客様に間に合わないですね。
ですので、カットの時間を短くする場合にも限界があります。最短でも5分でしょう。この5分間に集中してカットをする。どんなカットをしているのか説明しながらカットをするととても短くできます
5分間無言でもいいですが、ちゃんと関係性を作ってからやるとか、5分間集中してカットしますとか、何かしら無言なりの説明も言っておいたほうが後からクレームをいただいたりすることなども防げます。
僕の先輩で、カットが短すぎてクレームになった件もあるのでそこは要注意ですね。
メンズは時間がかかる
メンズのカットの場合も早くないとダメです。後で説明しますがこれは技術の問題ではなく、ショートヘアは手数が多くなるので必然的に時間がかかってしまいます。
ですが10分から15分くらいでカットできるように練習しましょう。メンズの方は仕事に追われている場合や、短時間で自分の気に入ったスタイルにしてほしい方が多いのでなるべく短い時間でカットして差し上げましょう。
集中してカットできる空間を作る
オペレーションが十分に上手くできるようになってきたら、ただただ早くするのではなく、目的を持ってカットをしましょう。
僕なりになぜ早くオペレーションをしなければならないかの理由として、3つあります。
- お客様をお待たせしたくない
- 接客の質を上げたい
- カットに集中したい。
まずお客様は5分間待っただけでも「めちゃめちゃ待たされた」と感じるでしょう。
このお客様の5分間をどこまで大切にできるかがまたリピートにつながる最大の糸口といっても過言ではありません。
お客様が来店して早く着いてしまって少し待ってしまうなどの場合でも最初にご来店された時点で何分待つとお伝えしたり、先にシャンプーをしていてもらうなどの対策ができます。全員接客の場合は他の担当者が声掛けをするといった具合にチームでお客様の不快を取り除く、という方法もあります。
あとはみなさん体験済みかもしれませんが、お客様をお待たせしている状況でカットするほどしんどいものはありません。僕はすごく嫌ですね。
なので待たせるくらいだったら「先にシャンプーをしていて欲しい。」と思いますし、自分が一番集中したいところに集中する、ということが大切です。
スタイリストになってからは時間も限られていますし、自分のできることって限られてくるので、「選択」と「集中」をすることが大切になってきます。
シザーを変える
美容師として速いカットをしたいとき、練習やオペレーションもそうですが、実際にハサミを変えてみるのも速さの秘訣です。
自分は去年ハサミを一新しようと、めちゃめちゃ切れるハサミを持ちたいと思い、20万かけて2丁ハサミを購入したのですが、結局そのハサミが自分に合わず、ハサミを買い直すというハメになりました。
みなさんにはそんな思いをして欲しくないので結論から言いますが、ハサミは試し切りしてから買った方がいい!(できれば1週間ほど使ってみる)それかウィッグを1台切ってみるのがオススメです。
自分もカタログの売り文句に騙されて使ってみたはいいものの、最初に違和感を感じて、「慣れれば大丈夫」なんて思っていたのですが、やはり少しでも違和感を感じたハサミは買わないほうが無難です。
自分に合った切りやすいもの、であればそんなに高いハサミでなくても大丈夫です。用途にあったハサミを購入しましょう。
自分のハサミたちはそれぞれ用途が違っていて
- 女性のお客様をカットするウェットでもドライでも対応できるシザー
- 女性の細かい髪質に対応できるセニング
- 男性用の刈り上げシザー
- 男性用の50%のすき率のセニング
この4種類のハサミを使っています。
女性用だからと言って女性にしか使わないというものでもないです。結構全員に使いますし、50%のセニングなんかはショートヘアの方や、バッサリカットされる方などに向いています。
ですのでバッサリヘアカットされる方はとても速くなりましたし、「いつもよりそんなに切っていないのにもう終わった」なんて言われます。
ハサミを研ぐ
ハサミを持っていてもやはり切れ味が悪いと髪にもダメージを与えてしまいます。ですのでしっかり2ヶ月位で研ぐのがいいでしょう。切る人数によっても変わりますが、ドライカットで髪が逃げるようになってきたら研ぎのサインだと思ってもいいでしょう。
まとめ
いかがでしたか?今日からすぐに取り組めるものはたくさんありそうですね。まとめてみると
- トレーニング
- オペレーション
- ハサミを変える
以上のことをやれば必ずカットのスピードは速くなります。
スピードが身についてくると、周りのスタッフと同じことをしていても速さとオペレーション、そしてお客様の満足度も向上し、特に何もしないでも売り上げが上がって自分の自信にも繋がってきますので、ぜひやってみてくださいね。
美容師として売り上げを上げてたくさん給料をもらうためにはカットのスピードを速める技術は必須項目です。
僕も昔は大学生の友達に髪を切らせてもらったり、カットモデルのお客様を担当させていただいたりして徐々にスピードを上げていきました。
先輩に昔言われたことがあって、「スピードがあったらそれだけで武器になるんだよ」と教えてもらいました。
ぜひみなさんも「速さ」という武器を手につけて最高の美容師ライフを楽しんでくださいね!