美容師になって夢をもち、アシスタントで入ってからは練習の毎日。
精神的にも体力的にも疲弊して掃除すらやりたくないなんて思ってしまう時もあります。
掃除なんてしたくない!と思ったり、掃除の意味すら不明、なるべく早く掃除を終わらせたい!
という悩みについて解説していきます。
掃除をする時のポイントは3つあり
- 掃除をしたくない時の対処方法
- 掃除の意味とは?
- 掃除の時短の方法
この3つがポイントとなります。
20年間そうじのきれいな美容室やそうでない美容室を見てきた経験からお伝えしていきます。
掃除をしたくないときはどうすれば良い?
掃除をしたくないときはまず体を動かしましょう。
クロスを洗濯機に突っ込んだり、タオルを乾燥機やクリーニングの袋から出など小さな行動に目を向けます。
人間ですから誰しもやりたくない時があるはずですし、面倒だと思うこともありますよね。
なのでここでは目標をかなり小さくしましょう。
目安は「目の前のペンをペン立てに入れる」くらいの小ささで良いです。
他にも面倒な時の対処法法があります
行動をスイッチにする
人間はもともと行動をしたいと思うような生き物ではありません。
頭で考えていざやろうと決めるのはたいてい
明日から始めよう
となります。(笑)
なので行動をスイッチにしてしまいましょう。
私はいつも店に来てから一番最初にする行動を決めています。
- 朝店に来たらすぐにクロスを洗濯機に突っ込む
- タオルをたたむ
- 埃をおとす
これは朝店に入って休まずにすぐ動けるようにするためなのです。
家でも朝一番に用を足したら掃除したり、帰ってきてからキッチンに食器が溜まっているのをみたら手を突っ込む。
このような何かをきっかけに行動を起こすことをトリガーと言います。
心理学的にもトリガーを使って行動に移すことで継続しやすくなり結果につながりやすくなります。
他になるべく意志の力を使わずに行動を起こす方法を見ていきましょう。
掃除の意味を知る
人は理解できないものを見た時に意味がわからない、理解できないと判断します。
そうなるとどのような感情を芽生えさせるかというと「嫌い」や「嫌悪感」と同じくらいの負の感情が芽生えます。
私は掃除やきれいな空間作りの本などはとても好きなのでそういった類の本は見つけたら必ず読みます。
ですが今までに「掃除をしましょう」とか「掃除のやりかた」などはほとんど書いていないのに、読み終える前から無性に掃除をしたくなった本がありました。
それはこちらになります。
これを実証する理論があり、1980年代のNYでは小さな犯罪や違反を取り締まることで犯罪を減少させた「ブロークンウィンドウ理論」「割れ窓理論」と呼ばれるものがあります。
この理論を見ると汚れているものや汚いものの周りには同じようなものが集まるということがわかります。
究極の掃除の本
では毎日掃除を徹底している場所はどこかというと私はお坊さんにたどり着きました。
比叡山で13歳の頃から修行をしているお坊さんの体験記や、掃除に関することが書いています。
意外なことに形にとらわれず…と書いているのかと思いきや、「形から入ってもいいじゃん」的なことも書かれていて私は目から鱗の一冊でした。
この本を読んで影響され、すぐに埃落としを買い足しました(笑)
このようにいろいろな角度から見ると掃除は大事なんだとわかりますが
実際みなさん、「掃除」と言われて思い浮かぶのはバラバラだと思います。
掃除の意味とは?
子供が親に「掃除をしなさい!」と言われても何をどうしていいのかわからないので行動にうつしませんよね。
では掃除の言葉の意味は整理整頓、片付け、掃除に分けられて、それぞれ定義されていますので見ていきましょう。
整理
整理とは使っていないものや不用品を処分することです。
何年もタンスに眠っている服や鞄、それにいつか履こうと思って放置している高かった革靴など。
それぞれ何年も使ってないのだから放置されている靴だってかわいそうですよね。
服に限らず、美容室でいうと1年以上使っていないシャンプーや商材などがあります。
私もつい先日使っていないトリートメントやシャンプー10万円分を処分しました。
この理由は
- 買ってから1度も使わなかった
- 1年も経過しているので中身も劣化している可能性がある
- それがあること自体でスペースを圧迫しているから
このような理由から手放しました。
お客さんにあげたらよかったんじゃない?
などと思われるかもしれませんが
家でシャンプーした後にトリートメントをつけて流すのを3回も4回もやりたくないですよね。
大体みんな3日くらいで飽きるか面倒になって下水の肥やしになるのが見えてしまったんです。
家でも使おうと思いましたが自分ですら面倒だと思ったので、これはもらって嬉しいのは同業者くらいだなと思ったんですね。
なのでもったいない!という気持ちと共にゴミ捨て場に持っていきました。
使われないトリートメントの方がかわいそうですよね。
整頓
整頓はすぐに取り出しやすくするように仕分けることです。
仕事で使いやすいものは作業する場所の近くに取り出しやすくすることで効率がよくなりますよね。
俗にいう「住所を付ける」なんて言い方もしますが取り出しやすければどこだっていいし、見えないところなら見栄えを良くする必要もありません。
その辺にある紙を折って箱にすることで小さなものの専用の場所ができるんです。
片付け
片付けとは散らばったモノを元の場所に戻すこと
これは先ほど整頓のところで住所をつけたものが散らばっている時に元の住所に戻すことを言います。
場所によっては「なおす」「しまう」などというところもあるそうですね。
掃除
掃除とは汚れを落とすこと
広く一般的に言われている掃除ということばは昔はきよめるという意味を持っていたそうです。
ネット上での意味はゴミやホコリを拭いたり払ったりして取り除ききれいにすることとあります。
ということは汚れを取ると言ってもいいでしょう。
- シャンプーボウルの汚れを取り、拭き上げる
- 排水溝の髪を捨てる
- 髪を切り終わった後に毛が残らないように掃いたり拭いたりする
美容室では細かくてどこにでもくっついてくる髪を掃除します。
いまではそんなにありませんが昔はシラミが沸いていたりすると感染したりするので、髪の取り扱いには注意が必要ったんです。
忙しい美容室ではそこまでじっくり掃除してられない!というところが本音だと思いますので掃除の時短方法についてお話ししましょう。
掃除の時短方法
掃除を早くしようと思って手を早く動かしても埃が舞い上がったり、雑な掃除になってしまい帰って時間がかかってしまうこともあります。
急ぎすぎると勢い余ってガラスを割ってしまったりするんですよね。
ほんとこういう時って自分をせめてしまいがちですが、そもそも時間の使い方が間違っていたりするものです。
では時短の方法を3つほど見ていきましょう。
掃除のする場所や順番を計画する
掃除をしようと思ってもプランがないと時間のロスや無駄な動きになってしまい、効率が悪くなってしまいます。
まずは全体を俯瞰してやるべきことを書き出してから動くことです。
- やることを書き出す
- やる順番を決める
- 必要なものを洗い出す
- チェックリストを作る
たったこれだけの作業なら頭の中でできちゃうし!と思われるかもしれませんが、人間は無駄なことを考える天才なのです。
私はあらかじめ掃除のチェックリストを作っておき、それを見ながら毎日掃除をしています。
最初のころはチェックリストを使わずにやっていたのですが、そうすると忙しくて忘れてしまったりするんですよね。
なので毎日のルーティンになるように一応作っておき、数ヶ月に一度見直して作り直すと良いでしょう。
計画することは髪を作ることに直結する
よく、掃除ができない人は技術も下手と言われますが、これは何が下手かというと頭の中で組み立てるのがうまくできないと自分は感じています。
頭の中でうまく組み立てることができないとお客様によって髪質や悩みが違うので、その人に合った最適なプランを作り上げることができません。
デザインが作れたとしてもどうしてお客様はそのヘアスタイルにしたいのか?
どのような経緯で悩みを抱えて何が一番気になっているのかをブラッシュアップすることが下手で、結果的にチグハグなヘアスタイルになり、「こうじゃなかったのに…」ということが起こります。
掃除が上手になってくると、自然と
- 効率よく作業するためにはどうするか
- どこから始めたらよいのか
- 汚れている場所はどこか
といったような思考の技術が身につきます。
掃除を始めると汚れが気になって、隅々まできれいにしたいと思いますよね。
これはカットやパーマ、カラーなどの技術と同じで自分の理想とするカットラインに近づけるために練習をしたり、改善を繰り返したりすることと同じなのです。
細かいことが積み重なり、結果的に技術や接客でも自分を高めていくことができ、お客さまからも評価されて「上手だね」と言われるようになるのです。
掃除と美容の技術を考えるといろいろな共通点が見えてきましたが、そもそも汚れないようにするためにはどうすれば良いのかを解説してみましょう。
そもそも汚れないようにするためにはどうする?
掃除はできればしたくない、時間を短縮してより生産性のある仕事をしたいと思いますよね。
美容室は毎日お客さまの髪をカットし、髪の毛が飛んだりしていろいろなところに飛び散ります。
飛び散った髪は掃いて捨てれば良いですが、高くて見えないところの埃などは溜まってしまいますし、カラー剤を使っている場所はかなり汚れます。
結論から言うと、「使ったら毎回洗う、汚れたらすぐに拭く」を徹底するだけで良いのです。
カラー剤の汚れは時間が経つと真っ黒になるので、床に落ちた瞬間、もしくはすぐに漂白剤を使って拭き取ればきれいに消えます。
透明なシートもいつかは汚れてしまい、交換しなければなりませんので余計なコストや手間がかかります。
コストをかけず、最低限の力できれいに保つためには毎回きれいに拭き掃除をするということなのです。
それでも汚れが気になるときは
毎回シンクの中をきれいに拭き取ったりするけど、やっぱり汚れが気になる方はこちらのコーティング剤がおすすめです。
コーティング剤を使うことで汚れがつきにくくなったり、ついてもすぐに落とせるようになります。
このコーティング剤はウルトラハードクリーナーという洗剤のコーティング剤なのですが、ドラッグストアーやホームセンターなどで簡単に購入することができます。
そもも汚れないようにするには
- 汚れたらすぐに拭く
- コーティング剤をつかう
このような方法できれいを保つことができます。
まとめ
今回は美容師が掃除をする時の掃除のポイントについてまとめてみました。
美容室はお客さまがきれいになるところですから常にきれいにしていないといけませんし、綺麗の基準がそもそも高い訳です。
そのような中で掃除をするので必然的に掃除の基準も上がってきますし、掃除も技術と同じくらいプロ意識を持ちたいものです。
- 掃除をしたくないときは習慣にする
- 掃除の意味がわからなくなったときは本を読む
- 時短の方法は使ったらすぐに汚れを取る
このような方法で掃除の技術も身につけていきましょう。
細かいところまで掃除ができる人は接客や技術に対してもきめ細かくできます。
掃除を「まあいっか」で終わらせる人は技術も「まあいっか」「これくらいで十分だろう」というようになります。
「妥協」が生じる訳です。その考え方はさまざまなところに出てくる。
そういった美容師としての掃除のレベルの高さは必然的にお店にも反映してくるように思います。
たかが掃除、されど掃除。妥協のないきめ細やかな掃除は妥協のない技術や接客につながり、美容師自身の人生も変えていくきっかけに。
お客さまの笑顔のために日々積み重ねていくことを忘れないでいたいですね。